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『いつか、むかしのはなし』読者のご感想
『いつか、むかしのはなし』は素晴らしい作品でした。全てが短編で、それぞれが完結しているのかと思っていましたが、最終の 第六章で全編が融合され、見事なストーリー展開で驚きました。 また、北越戊辰戦争から 77 年目に長岡の大空襲があり、そこから 77 年目の 2022 年が第六章の設定になっていることも印象的でした。 私自身も長岡の大花火大会に出掛けて、信濃川の河川敷で花火を鑑賞したことがありますが、この本を読んでから行けば良かったとしみじみ思いました。
私は戦後生まれですので、所謂「戦争を知らない子供たち」のひとりです。私の高校時代は、先生方も反戦、反体制の立場の人が多く、友人も同様の意見の持ち主が多か ったこともあって、職業軍人であった父とは戦争の話は殆どしませんでした。 その頃から徐々に、私自身は中立的に物事を見たいと思うようになりました。 しかし、その人の政治的スタンスが保守かリベラルかを問わず、『いつか、 むかしのはなし』に刻まれた「日本人として生まれた以上、その責任を負う」こと、そして、「国と国との対立と、個人個人との関係は異なる」ことは大変に重い言葉と感じています。(W.T.)
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